国土交通省、小水力発電の農業用水路を利用する場合の手続きを簡略化する方針

　国土交通省は、小水力発電の導入を加速するため、規制を緩和する方針を発表したようです。農業用水路に発電所をつくる場合、国や都道府県からの許可を不要にし、登録だけで済むようにするとのことです。設置までの事務手続きにかかる期間をいまの平均５カ月から１カ月程度に短くする効果が期待できるとのことです。来年の通常国会に河川法改正案を提出する方針とのことです。

関連
・小水力発電 推進へ規制緩和　用水路は許可不要 国交省、来年に法案提出へ-----日本経済新聞、2012/10/16

参考
・ 国土交通省水管理・国土保全局 : 利用 小水力発電と水利使用許可

"河川の流水を利用した小水力発電に必要な手続き
河川の流水は公共のものであり、利用に当たっては、農業用水、水道用水、工業用水、水力発電などの目的ごとに河川管理者（国土交通大臣又は都道府県知事 等）の許可が必要になります。
この許可を水利使用の許可と呼びます。水力発電は河川から取水し、利用後は全水量が河川に戻ることが一般的ですが、このように流水を消費しない場合においても水利使用の許可は必要となります。
なお、農業用水や水道用水など、すでに水利使用の許可を得ている水を利用して水力発電（いわゆる「従属発電」）を行う場合には、許可手続きに必要な書類等の簡素化が図られています。
また、農業用水の排水や、下水処理水を利用して発電を行う場合など、水利使用の許可を必要としない場合もあります。

-----image : （参考）すでに水利使用の許可を得ている農業用水を利用して行う従属発電のイメージ(オリジナルはPDF書類）

小水力発電（従属発電）の水利使用許可手続きの簡素化・円滑化

小水力発電（従属発電）を促進するため、次のような水利使用許可手続の簡素化・円滑化を行っております。
１．申請書類の簡素化
http://www.mlit.go.jp/
river/riyou/syosuiryoku/syousuiryoku_kansoka.pdf

・水利使用の許可申請書への添付図書の一部を省略しました。（平成17年3月）
・減水区間が生じない水力発電等のための水利使用に係る添付図書を省略しました。（平成24年3月）

２．水利使用権限の移譲
http://www.mlit.go.jp/
river/riyou/syosuiryoku/syousuiryoku_ijyou.pdf

主たる水利使用と従属発電に係る水利使用の許可権者が同一となるよう、国土交通大臣から都道府県知事等に許可権限を移譲しました。（政令改正）
（平成23年3月1日施行）

３．総合特別区域法による手続きの簡素化・円滑化
http://www.mlit.go.jp/
river/riyou/syosuiryoku/syousuiryoku_sougou.pdf

総合特別区域において「特定水力発電事業」（従属発電事業）を行う場合、水利使用許可手続を簡素化するとともに、標準処理期間の短縮化
（通常5ヶ月を1ヶ月に）を図っています。（平成23年8月1日施行）

許可申請ガイドブック
小水力発電を新たに計画される方が、水利使用の許可手続きを円滑に行っていただけるよう、申請に必要な書類の作り方や申請書の記入例、必要な図面の例等を示したガイドブックを作成しました。申請書の作成に当たりましては、こちらを参考にして下さい。
「小水力発電を行うための水利使用の許可申請ガイドブック」
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