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産総研、次世代多接合太陽電池を開発。3接合、4接合で高効率化

 産業技術総合研究所は、さまざまな種類の太陽電池を接合し、さまざまな波長の太陽光を有効に利用することで超高効率化が可能な次世代多接合太陽電池の製造に関して、パラジウムナノ粒子を接合界面に配列して太陽電池を直接接合するスマートスタック技術を開発しました。
 これにより、CIGS上にGaAsとガリウムインジウムリン(GaInP)太陽電池を接合した3接合太陽電池で、変換効率24.2 %を実現。また、格子定数が異なるため、結晶成長では接合できないGaAs基板とインジウムリン(InP)基板を用い、それぞれの上に作製した太陽電池を4種接合した(4接合太陽電池)において、変換効率30.4 %を得ることに成功しました。さらに、GaAs基板は再利用可能であることから、安価な超高効率多接合太陽電池の普及が期待されます。

 多接合型の高効率の次世代太陽電池は、2020年代半ば以降に実用化されるものの、価格がネックとされています。これまでは、集光型の太陽光発電や宇宙用としての利用が想定されていましたが、一般発電用にも利用できるよう、低コスト化と高効率化の研究が今回のように進むことが期待されます。


プレスリリース / 産業技術総合研究所、2014/07/07
異種材料を組み合わせた次世代多接合太陽電池を開発

Fig
-----image(”スマートスタック技術の模式図とパラジウムナノ粒子の電子顕微鏡像”) : 同リリースより

" さまざまな種類の太陽電池を簡単に直接接合

ポイント
・パラジウムナノ粒子を接合界面に配列して太陽電池を直接接合するスマートスタック技術
・ガリウムヒ素(GaAs)系高効率太陽電池と、CIGSやシリコン太陽電池を接合可能
・GaAs基板は再利用できるため、安価な超高効率多接合太陽電池の普及に期待

概要
 独立行政法人 産業技術総合研究所【略】(以下「産総研」という)太陽光発電工学研究センター【略】先進多接合デバイスチーム 菅谷 武芳 研究チーム長、牧田 紀久夫 主任研究員、再生可能エネルギー研究センター【略】太陽光チーム 水野 英範 研究員は、さまざまな種類の太陽電池を自由自在に直接接合できるスマートスタック技術を開発した。
 多接合太陽電池は、さまざまな波長の太陽光を有効に利用し超高効率化が可能な電池であるが、これまで製造コストが高く、問題となっていた。今回開発した技術では、複数の太陽電池セルの接合界面にパラジウム(Pd)ナノ粒子を配列し、電気的・光学的にほぼ損失無く接合する。短波長領域を吸収するガリウムヒ素(GaAs)系高効率化合物太陽電池と、長波長領域を吸収する安価なCIGSやシリコン(Si)を接合することが可能で、CIGS上にGaAsとガリウムインジウムリン(GaInP)太陽電池を接合した3接合太陽電池は、変換効率24.2 %を実現した。また格子定数が異なるため、結晶成長では接合できないGaAs基板とインジウムリン(InP)基板を用い、それぞれの上に作製した太陽電池を4種接合した(4接合太陽電池)ところ、変換効率30.4 %を得た。GaAs基板は再利用可能であることから、安価な超高効率多接合太陽電池の普及が期待される。
 なお、この技術の詳細は、2014年6月24、25日につくば国際会議場(茨城県つくば市)で開催されたAIST太陽光発電研究成果報告会2014で発表された。
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開発の社会的背景
 多接合太陽電池は、種類の異なる(吸収する太陽光の波長が異なる)太陽電池セルを直列につなぎ合わせ、全波長の太陽光を吸収することにより変換効率を高めた太陽電池である。これまでは、結晶成長技術により複数のセルを一括(モノリシックに)形成する方法が主流である(図1a)。しかしこの方法では結晶成長させるためにセル材料の選択が制限され、成長技術も難しいという問題点がある。また、真空中で半導体表面をプラズマなどで活性化し、直接接合する方法(メカニカルスタック太陽電池)もある。この場合、半導体表面が極めて平坦でなければならず、(1 nm以下)、材料としては高価なIII-V族化合物半導体太陽電池に特化している。これらのことから多接合太陽電池は価格が高く、用途は宇宙用や集光発電施設用に限られている。このような現状から、様々な太陽電池を自在に接合し、安価で超高効率の多接合太陽電池が切望されている。これが実現すると多接合太陽電池の応用範囲が広がり、一般発電用への利用も期待される。
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今後の予定
 今後は、本技術による多接合太陽電池の量産化が可能となるよう、大面積基板でのELO技術、III-V化合物半導体トップセル作製の低コスト化、GaAs基板再利用技術の研究開発を進め、発電効率40 %以上を目指す。集光発電施設や宇宙用太陽電池だけではなく、一般発電用にも利用できるよう、低コスト化と高効率化の研究を進める。
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関連
・産業技術総合研究所 : 太陽光発電工学研究センター / 太陽電池の分類



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