« 潮流発電のOpenHydro、クリーンテックベンチャーに贈られる再生可能エネルギー部門賞を受賞 | トップページ | オーストラリアの地熱。同国の石炭火力分の68倍を賄いうるポテンシャルがあるとコンサルタント »

三菱重工鉄構エンジニアリング、振動水柱型空気タービン方式の波力発電システムの実証研究を開始

三菱重工鉄構エンジニアリングは、振動水柱型空気タービン方式の波力発電システムの実証研究を開始すると発表しました。NEDOの「海洋エネルギー技術研究開発(海洋エネルギー発電システム実証研究)」に採択されたもので、2015 年までに1kWh 当たりの発電単価を 40 円以下に抑えることを目標に、高効率波力発電システムの実用化に取り組んでいくというものです。2011~2012 年度は実現可能性調査(FS)を実施し、2013 年度以降、実海域における実証研究を目指すとのことです。

 振動水柱型(OWC : Oscillating Water Column)の波力発電施設としては、スペインのバスク地方のMutriku港にWavegen社の300KWのものが商業運転を今年の7月に開始しています。あと、浮体式のOWC発電機も日本を含めて何カ国かで研究されています。調べてみると、この方式の研究開発の歴史は、国内外ですでに30年以上の積み重ねがるようです。それでも、ようやくここにきて商業運転が開始されているということで、コストや技術的な課題を乗り越える努力が各国でなされているようです。
 日本企業も本格的に取り組むということですから、大いに期待されるところです。

プレスリリース / 三菱重工鉄構エンジニアリング、2011/11/15
同社サイト / 高効率波力発電システムの実証研究に着手(PDF)

Mhibridgeeng_wave
-----image : 同リリースより

" 高効率波力発電システムの実証研究に着手、発電単価 40 円/kWh 目標 三菱重工鉄構エンジニアリング、東亜建設工業と共同で

 三菱重工鉄構エンジニアリング株式会社(略、三菱重工業が 100%出資)は、東亜建設工業株式会社(略)と共同で、高効率波力発電システムの実証研究に着手した。今回の実証研究は、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「海洋エネルギー技術研究開発(海洋エネルギー発電システム実証研究)」に採択されたもの。波の振動を空気の流れに変換する「振動水柱型空気タービン方式」により、2015 年までに1kWh 当たりの発電単価を 40 円以下に抑えることを目標に、高効率波力発電システムの実用化に取り組んでいく。2011~2012 年度は実現可能性調査(FS)を実施し、2013 年度以降、実海域における実証研究を目指す。
 振動水柱型空気タービン方式の波力発電システムは、波の振動を空気の流れに一次変換し、タービンの回転に二次変換することにより発電する。具体的には「空気室」と呼ばれる空気の出入りのための穴がある底が開いた箱を使う。波のある水面に空気室を設置すると、そこに入る波の運動で空気室内の水面が上下してピストンのような動きとなり、空気の流れが発生。その流れを小さな穴から高速空気流として噴出させることで、タービンを回転させ発電機を動かし発電する。
 MBE と東亜建設は、最も高い効率で水面を上下させることを可能にする、空気室の前面に間仕切り壁(プロジェクティングウォール)を新たに採用し、発電効率の大幅な向上を実現する。加えて、発電装置を後付けユニット構造システムとすることにより、防波堤など既存のインフラ構造物を最大限に利用し、建設や保守にかかるコストを大幅に削減でき
る。こうすることで、発電効率向上と投資コスト低減の両面から、発電単価を引き下げていく。
 島国である日本では、波や潮流・海流が持つエネルギー資源の有効利用に対する研究開発が盛んに行われてきた。特に波の振動から空気エネルギーを作り出して発電する振動水柱型は、装置の構造が単純な点などから実現性に優れている。
 MBE は東亜建設と密接に連携し、高効率波力発電システムの実用化に取り組んでいく。
.......... "

コメント続き

 振動水柱型(OWC : Oscillating Water Column)空気タービン、数年前最初にこの単語に出会った時にはなんと訳するのかさえ分かりませんでしたが、2015 年までに1kWh 当たりの発電単価を40円以下に抑えることを目標とした開発が行われるということで、まさに次世代のエネルギー源としての期待が高まります。
 そのしくみをわかりやすく見せてくれるビデオクリップを見つけました。

OWC Simulation.mp4

(amirsol2003,2011/04/13)

 波の力で、リリースでは「空気室」とされた波の力で空気の粗密波を生み出す箱の構造がよくわかります。「箱」から連続的に噴出す空気の力で小さなプロペラが回り、実際に発電されるようすが映し出されています。
 オイルショックの時にも、この方式に大きな期待が高まったことがあったようです。しかし、実現されず国内の研究も下火になってしまったようです。さて、再度のチャレンジです。日本の企業、そして世界の企業、がんばってください!(2t)

追加情報



参考
波の力を中継アンテナ電源に、博多湾で実証実験-----YOMIURI ONLINE,2011年11月17日

" 波の上下動によって生じる空気の流れを利用した波力発電の実証実験を、佐賀大海洋エネルギー研究センターが福岡市の能古島沖の博多湾で始めた。 "

参考エントリー
オーストラリアの浮体式振動水柱型(OWC)波力発電システム Oceanlinx社 / YouTubeから-----自然エネルギー、2011/07/16

ヴォイス・ハイドロ Voith Hydro、スペインのMutriku港に300KW振動水柱型(OWC)波力発電所を開所-----ソフトエネルギー、2011/07/11

豪Oceanlinx社、シドニーで波力発電所建設計画が本決まり、波力利用の実用化に向けて動きだした-----ソフトエネルギー、2009/02/27

スコットランドで世界初の300KWのOWC波力発電所建設計画をスタート-----ソフトエネルギー、2009/02/10

------Google GreenPostサイト横断検索 : OWC 波力-----


ブログランキング・にほんブログ村へ

ブログ村ランキング参加中。クリックお願いします! 上のバナーをクリックしていただくだけで当サイトの- 評価 -の向上になります。ご協力ありがとうございます。



・東北関東大震災、福島原子力発電所事故対応サイト : crisis311 #disaster_kit311

greenpost(@greenpost) - Twilog-----twitter : greenpost ---しなやかな技術研究会のGoogleマップ2

[PR]

|

« 潮流発電のOpenHydro、クリーンテックベンチャーに贈られる再生可能エネルギー部門賞を受賞 | トップページ | オーストラリアの地熱。同国の石炭火力分の68倍を賄いうるポテンシャルがあるとコンサルタント »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/27110/53268117

この記事へのトラックバック一覧です: 三菱重工鉄構エンジニアリング、振動水柱型空気タービン方式の波力発電システムの実証研究を開始:

« 潮流発電のOpenHydro、クリーンテックベンチャーに贈られる再生可能エネルギー部門賞を受賞 | トップページ | オーストラリアの地熱。同国の石炭火力分の68倍を賄いうるポテンシャルがあるとコンサルタント »