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川崎重工と九州電力、250KW小規模地熱バイナリー発電設備実証試験を開始

 国内で急速に地熱への関心が高まるなかで、世界で3番目のエネルギーポテンシャルをもつと指摘され続けながら、近年その利用はあまり進んでこなかった地熱。さすがにここにきてさまざまな動きがはじまりつつあります。

地熱エネルギーブームに乗り遅れる日本 九州大学の江原教授に聞く-編集委員 滝順一-----日本経済新聞、2011/8/31

 川崎重工と九州電力は、鹿児島県指宿市の九州電力山川発電所構内に、250KW小規模地熱バイナリー発電設備実証試験を開始すると発表しました。バイナリー発電とは、沸点の低い媒体を熱交換器で加熱・蒸発させ、その媒体蒸気により発電を行うもので、従来の地熱発電方式では利用できなかった比較的温度の低い蒸気・熱水での発電が可能になるということです。比較的温度の低い温泉などを利用した地熱利用技術に期待が高まります。2011年中に、設備設計、製作を終え、 試運転を開始し、2012年から2013年まで熱回収技術、スケール対策、腐食対策、設備性能、経済性などの検証を行いながら実証運転を行うということです。
 ちなみに九州電力は、大分県九重町の八丁原発電所において、2000kW地熱バイナリー発電所を有しています。大きな規模の技術はある程度確立していますが、今回は離島用などの小規模な温泉などを利用した地熱発電の可能性をさぐる試みとなっているようです。

プレスリリース / 川崎重工、2011年08月30日
ニュース / 小規模地熱バイナリー発電設備実証試験の実施について(PDF:138.4KB)より

Kawasakigeothermal250kwkyuden
-----image : 同リリースより

" 九州電力株式会社と川崎重工業株式会社は、九州電力株式会社山川発電所(定格出力:3万kW,鹿児島県指宿市)構内に小規模バイナリー発電設備を設置し、実証試験を開始する予定です。
 バイナリー発電設備とは、沸点の低い媒体を熱交換器で加熱・蒸発させ、その媒体蒸気により発電を行うもので、従来の地熱発電方式では利用できなかった比較的温度の低い蒸気・熱水での発電が可能になります。
 今回、設置する小規模バイナリー発電設備(定格出力:250kW)は、川崎重工業株式会社が工場の排熱等の有効活用を目的に開発したグリーンバイナリータービンを採用しており、地熱への適用が可能になれば、地熱資源が賦存する島への適用が期待できること、温泉水等の熱の有効活用が図れることから実証試験を行うものです。

●設備概要

定格出力 250kW
媒 体 代替フロン
熱 源 地熱熱水

..........
添付資料
「地熱バイナリー発電方式」の概要

バイナリー発電とは、加熱源により沸点の低い媒体を加熱・蒸発させてその蒸気でタービンを回す方式である。加熱源系統と媒体系統の二つの熱サイクルを利用して発電することから、バイナリーサイクル(Binary※ -Cycle)発電と呼ばれており、地熱発電などで利用されている。
 地熱バイナリー発電では、低沸点媒体を利用することにより、媒体の加熱源に従来方式では利用できない低温の蒸気・熱水を利用することができる。
 発電システムとしては、加熱源としての蒸気・熱水サイクルと代替フロンを用いた媒体サイクルで構成されており、これに対して、従来方式は蒸気・熱水サイクルのみで構成されている。
 今回の山川発電所の実証試験においては、地下に還元する熱水を気水分離し、加熱源として使用する。
※Binaryとは「2つの」という意味であり、Binary-Cycleは熱サイクルを二つ利用しているということ。
.......... "

関連
小規模地熱バイナリー発電設備実証試験の実施について-----九州電力、平成23年8月30日

九州電力 : 九州管内地熱・風力発電所 / 八丁原・大岳発電所

西日本環境エネルギー : 地熱バイナリー
" 2000kW級地熱バイナリー発電所..九州電力 八丁原発電所"

低温地熱活用で小規模発電 九電と川重、来春から実証試験-----Sankei Biz,2011.9.2

川崎重工 : グリーンバイナリータービン - 小型バイナリー発電設備の製造・販売を開始-----川崎重工、2010年06月09日
C31006091
-----image : 上記リリースより

" 崎重工は、排温水や排ガスを利用した小型バイナリー発電設備の製造・販売を開始します。
販売に先駆け、当社神戸工場で250kW級の小型バイナリー発電設備の試運転を本年4月より実施し、このたび所期の性能を確認しました。
バイナリー発電とは、沸点の低い媒体を利用することで低温熱源からエネルギーを取り出し、タービン発電機を稼動させることで、電力を生み出す省エネルギーシステムです。これまで未利用であった排温水(80℃~120℃)や排ガスを有効利用して電力を得ることから、CO2排出削減に貢献することが可能です。
.......... "

追加情報
小規模地熱バイナリー発電設備実証試験の開始について-----九州電力、平成25年2月28日

"鹿児島県指宿市の九州電力株式会社山川発電所(定格出力:3万kW)構内において、九州電力株式会社と川崎重工業株式会社は、小規模地熱バイナリー発電設備(定格出力:250kW)を設置し、2月26日に実証試験を開始いたしました。今後、約2年間の実証試験を行い地熱への適用可能性について検証を行います。
 なお、本設備は、川崎重工業株式会社が工場の排熱等の有効活用を目的に開発したグリーンバイナリータービンを採用しており、地熱への適用が可能になれば、地熱資源が賦存する離島等への導入が期待できます。"

参考エントリー
出光と国際石油開発帝石、北海道および秋田県での地熱開発に向けた共同調査を実施へ-----自然エネルギー、2011/07/27

岩手県八幡平市と日本重化学工業、地熱エンジニアリング、JFEエンジニアリング、八幡平で地熱発電事業化に関する協定を締結-----ソフトエネルギー、2011/07/19

パナソニック、温泉の送湯管自体が発電する、傾斜積層構造を用いた熱発電チューブを開発-----ソフトエネルギー、2011/06/24

[ カテゴリー : 温泉、地熱、地中熱 ]

コメント続き

 確かに、冒頭で紹介した日本経済新聞の記事にもあるとおり、3.11以降再生可能エネルギーに関する報道は世界的にも国内でもかなり増えました。地熱に関しても情報が多くなり、実際の計画がどれほど増えたかについては、将来の統計が楽しみな状況もあります。今年、建設が開始された地熱発電所は、当然のごとくかなり前に計画されたものです。となれば、3.11以前から世界は、化石燃料、再生可能エネルギー、そして原子力までそれぞれの国が採用できるエネルギーに貪欲に取り組んできたことがわかります。日本が、原子力偏重政策に陥っている間に、世界のより現実的な頭脳は、次代のエネルギーを必死で求めてきたのでしょうか。(2t)

参考
Gradient breaks ground on Nevada geothermal project-----brighterenergy.org,August 29, 2011

The World's First Hybrid Solar Geothermal Power Plant-----energydigital.com,31 AUG 2011



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