住友電工、電力線通信(PLC)によるリアルタイムメガソーラー監視システムの実用化に成功

 住友電工は、大規模太陽光発電システム、メガソーラー規模の発電施設において、電力線通信(PLC)によるリアルタイム監視システムの実用化に成功しました。通常発電量の監視や数値の把握には、電力線以外の通信線を敷設する必要がありましたが、電力線を利用することで簡略化しローコスト化、さらにはメンテナンスの簡単さなどを実現することができます。
 電力線通信 PLC(Power Line Communication)は、身近なシステムとしては、監視カメラなどに利用される通信用のイーサネットケーブルで電力も供給できるシステムなどがあります。確かに、電源コンセントや電線を別途必要としないこうしたシステムは非常に便利です。今回のメガソーラーにおけるPLCは、600V~1kV以上の直流高電圧電力ケーブルをそのまま通信媒体として利用するものです。高い直流電圧や大きな電力ノイズ環境下で実用化に成功したということです。具体的には、センサーから得た電流や電圧などの情報は、10から450kHzの信号として、発電電力を送る電線を通り、データーとして回収することが可能です。そのデーターをもとに、巨大なメガソーラーシステムにおいて、発電状況の異常を即時に発見することが可能です。
 このシステムの最大のメリットは、既存のメガソーラーに、あとからより手軽にセンサー、通信、データー分析の機能をもたせることができる点です。具体的なコストは、書かれていませんが、よりコストも安価であることが期待できそうです。
 

プレスリリース / 住友電気工業、2014年3月12日
電力線通信(PLC)によるリアルタイムメガソーラー監視システムの実用化に成功

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-----image : 同リリースより
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".....メガソーラーで使われる600V~1kV以上の直流高電圧電力ケーブルを、そのまま通信媒体として活用する電力線通信(PLC)技術を用いた、メガソーラー監視システムの実用化に成功しました。今後2014年7月から販売を開始する予定です。

1. 開発の背景と開発成果概要
 近年、メガソーラーの建設が進む中、大量に導入されるソーラーパネルの初期の設置不良、長期劣化や故障が発生すると発電電力が低下し、売電量が低減してしまいます。現状のメガソーラーは、数万枚~数十万枚の多数のパネルから構成されているため、どのパネルが劣化しているかを総発電量の低下から検知することは困難です。このため、パネルの発電量を正確にリアルタイム監視ができ、かつ装置の取り付けが手軽にできる安価な監視システムが求められています。
 このたび当社は、通常のメガソーラーで使われる600V~1kV以上の直流高電圧電力ケーブルをそのまま通信媒体として活用するとともに、メガソーラー特有の大容量パワーコンディショナー(パワコン)が発生する大きなノイズ環境でも問題なく正確に情報伝達できる独自方式の電力線通信(PLC (Power Line Communication*1)、10kHz~450kHzの周波数帯を利用)技術を開発し、それを活用したメガソーラー監視システムの実用化に成功しました。
 PLC技術の基本原理自体は既に公知であり、いわゆる情報通信技術の分野でも使われているものですが、メガソーラー発電システムのように高い直流電圧や大きな電力ノイズ環境下では実用化されておらず、当社が今般初めて実用化に成功したものです。
なお、本システムの実証にあたって、株式会社ユアテック殿のご協力を頂きました。

2. 技術内容
 今般開発に成功した監視システムでは、メガソーラーの構成単位である14~18枚直列の発電パネル群(以下ストリングと呼ぶ)ごとに発電電力を正確かつリアルタイムに計測し、電力ケーブルそのものを通信媒体として、その情報をモニター装置(通常はパソコン)に転送し、専用ソフトによって発電異常の有無を判断します (図1、写真1)。
 通常のメガソーラーには、各ストリングからの電力を集約する接続箱が設置されています。本監視システムは、図1に示すように、この既設接続箱内部に設置される電流センサと、当該センサ情報を電力ケーブルに重畳させて情報伝達するPLC子機および子機からの情報を集約する親機で構成されます。このため、専用の通信ケーブルあるいは無線通信設備等は一切不要です。
 1台の子機は、最大16ストリングまで発電情報を集めることができ、親機は、メガソーラーの発電規模に応じて必要な数の子機を連係することができます。
..........
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-----image : 同リリースより
3. 特長
①通信のための新規配線不要
既に利用されている同種のストリング監視システムでは、情報の伝送に専用通信線(RS485 *2)を使用しており、電力ケーブルとは別に通信線を布設する必要があります。また、接続箱に設置される端末装置は、別途AC電源が必要なものが多く、AC電源線の布設も必要となります。当社は、接続箱内にPLCを活用した子機を設置し、ストリングごとに計測した電流やソーラーの電圧情報を、ソーラーが発電した電気を送る既存の電源線を使い、PLCで親の監視装置まで伝送するため、新規の信号線が不要で、子機の動作に必要な電力もソーラーの電源線から取れるため、AC電源線も不要です。
②新設だけでなく、既設のメガソーラーにも適用可能
電流センサとして、従来用いられる貫通型だけでなく、クランプ型電流センサにも対応しているため、既設のメガソーラー設備(例えば接続箱の結線等)を変更することなく、後付け的にセンサや子機、親機を設置することが容易です。
③ノイズや雷サージに強い
当社が長年培ってきたPLCの経験に基づき、電源ノイズに対して高い通信性能を有しているとともに、雷サージなどから機器を守る対策も十分に施しており、信頼性の高いシステムです。
④他方式に比べて低コスト化が可能
PLCを活用することで、新たな通信線の布設が不要であり、動作電源もソーラーの電力線から取るため専用のAC電源線の布設も不要です。装置自身もコンパクトなため、既存の接続箱の中に収めることができ、外置きの別収納箱も不要で、設置も容易にできます。子機の外形寸法は、長さ160mm、幅130mm、高さ50mmで重さも500gと接続箱内に設置できるよう小型化しました。また、親機は、取り付け場所や方法に依存しますが、さらに小型化が可能です。さらに、既設及び新設を問わず、装置を簡単に設置することができるため設置費用も低減できます。このような特長により安価なシステムの構築が可能です。
*1 PLC(Power Line Communication:電力線通信):
既存の電力線を通信回線として利用する技術で、新たに通信線を布設することなく、データ伝送が行える技術(図2に原理を示す)。
*2 RS485通信:
2線の専用線を使い各機器間のデータ伝送を行う規格
..... "


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東芝、トルコ西部のアラシェヒル地熱発電所向け40MW級発電設備一式を受注

 東芝は、トルコ西部のアラシェヒル地熱発電所向け40MW(4万kW)級発電設備一式を受注しました。トルコの大手電力事業者のゾルルエナジー社が、トルコ西部に建設を予定しているアラシェヒル地熱発電所向けのタービン向けの地中からの蒸気を直接利用する3万kW級のフラッシュ型発電設備と、沸点の低い媒体で加熱した蒸気を利用する1万kW級バイナリー型発電設備を組み合わせた4万キロワット級の発電システム、そして腹水器など一式の受注です。
 トルコでは、国内の企業が地熱関連の事業を受注していますが、東芝にとって今回のシステムが初の地熱発電システムの受注となります。
 2014年10月に設備を納入、そして2015年10月から運転開始の予定です。

プレスリリース / 東芝、2014年01月08日
トルコにおける地熱発電所向け発電システムの受注について

" ......トルコの大手電力事業者のゾルルエナジー社から、同社がトルコ西部に建設を予定しているアラシェヒル地熱発電所向けのタービン、発電機、復水器など発電設備一式を受注しました。当社の性能や納期、機器の信頼性などが評価されたもので、2014年10月から順次納入する予定です。

 今回受注したのは、地中からの蒸気を直接利用する3万キロワット級のフラッシュ型発電設備と、沸点の低い媒体で加熱した蒸気を利用する1万キロワット級バイナリー型発電設備を組み合わせた4万キロワット級の発電システムで、当社としてはトルコで初めての地熱発電設備の受注となります。

 トルコでは、今後の人口の増加や内需の拡大に伴い発電需要が増加することが見込まれています。トルコ政府は、地熱資源が豊富な西部を中心に開発を進め、2023年までに国内の地熱発電量を現在の30万キロワットから倍増させる計画です。

 当社は北米、東南アジア、欧州など世界各国に52台、約280万キロワットの地熱発電設備を納入し、世界トップの23%注のシェアを占めています。去年8月にはトルコおよび周辺国における電力システム事業の強化に向け、東芝トルコ社を設立しました。今回の受注を機に、トルコに加え、東アフリカ地区で計画されている地熱発電案件への参画に向け、営業活動を加速するとともに、火力発電をはじめ、水力発電、風力発電など多様なエネルギーの安定供給に取り組んでいきます。

注:発電設備容量ベース(当社調べ)

受注の概要
発電所名 アラシェヒル地熱発電所
発注者 ゾルルエナジー社
所在地 トルコ マニサ県アラシェヒル
納入設備 フラッシュ型3万キロワットタービン、バイナリー型1万キロワットタービン、発電機、復水器、冷却塔、ガス抽出装置 
設備納入予定 2014年10月(予定)
運転開始予定 2015年10月(予定)
.......... "

関連
地熱発電とは? - 東芝地熱発電の歴史と実績


参考
住友商事、トルコにて地熱発電所向け60MWの富士電機製蒸気タービン&発電機を受注-----ソフトエネルギー、2011/07/26

トルコ ゲルメンチック地熱発電所2号機向け蒸気タービンを受注 1号機向けに続き連続受注-----三菱重工、2013年6月27日

参考ツィート
・Twilog : #renewturkey(トルコの再生可能エネルギーに関する情報)

・Twilog : #renewgeothermal(地熱発電に関する情報)

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豪Oceanlinx社、シドニーで波力発電所建設計画が本決まり、波力利用の実用化に向けて動きだした

 オーストラリアのOceanlinxが2005年からテスト運用していた波力発電所が無事に試験を終了し、シドニーで正式に運用が開始されることが決まったと発表がありました。オーシャンリンクス社のシステムも最近塩害から発電部分の機器を守ることができるということで世界中で開発競争が繰り広げられているOWC(oscillating water column)方式です。同社のユニークな点は、フロート(人工浮島)と沿岸部にすえつける二つのタイプを用意している点です。また、油井リグのような構造体にも取り付けることができ、将来的には上部で風力発電、基部で波力発電という複合発電の開発も視野にいれての研究も行う方針のようです。

プレスリリース / Oceanlinx,26 February 2009
Oceanlinx_mk_1_devicesOceanlinx_mk_1_devicel
-----image(MK 1) : Google Earthキャプチャー画像。[Google マップ : MK 1 device can be viewed at 34- 27' 07.6” S、150- 54'06.8” E]

" Oceanlinx, a leading renewable energy company, based in Australia with a unique and commercially efficient
system for extracting energy from ocean waves, is pleased to announce that it successfully re-deployed its fullscale
wave energy conversion unit at Port Kembla (south of Sydney) in early February 2009.
First deployed in 2005, the unit has been undergoing planned refurbishment and modifications over the past
few months. Work is now in progress to re-commission the unit and continue the test and trial program.
Oceanlinx’s Chief Executive, Stuart Bensley, said “The modifications to the Port Kembla unit while it was in port
was part of a structured program to apply continuous improvement to our technology. The re-deployment of
this unit is a key step in the Company’s technology development and commercialisation program.” "

Oceanlinx_floating_mk_2s
-----image(MK 1) : Google Earthキャプチャー画像。[Google マップ : floating MK 2 device is positioned at 34- 28'16.7” S, 150- 54' 56.5” E]

関連記事
Australian Academy of Science : PUBLIC LECTURES Australia's renewable energy future Wave energy: The industry now and in the future(5 November 2008)

Sucking up Wave Energy Off Rhode Island-----POPSCI.com,December 10, 2007

Australian company to make electricity in R.I. waters-----Rhode Island news,December 5, 2007

コメント続き
 同社の進行中のプロジェクトを紹介するページに紹介されていた緯度と経度でGoogle Earthに同波力発電所を表示させたのが上で紹介した地図の画像です。実際に設置されている様子がGoogle マップでも確認できますので臨場感があり、かしこいシステムの紹介の方法ですね。また何年かしたら、画像が更新されるかもしれませんね。

 さて、同社のシステムは、シドニー以外では、アメリカでハワイで2.7MWとロードアイランドで1.5MW、イングランドのサウスウエストで5MWの発電ユニット、さらにはメキシコ、オーストラリアなどで波力発電所開発計画に採用されるということです。

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京都議定書の批准で、注目されるオーストラリアの自然エネルギー関連の動き

 バリで14日まで開催されている国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP13)の会議が始まった時に、会場から大きな喝采をあびた出来事は、オーストラリアが、ケビン・ラッド首相の公約どおり京都議定書への参加についてアピールしたときだったようです。

オーストラリア新首相が京都議定書を批准-----GreenPost -Heuristic Life -,2007/12/4

 これにより活気づくことが予想される豪州には、結構ユニークなプランも多く注目していきたいと思います。オーストラリアの自然エネルギー関連のBBSやブログでは、賛否が分かれながらも中国の存在が結構目だっています。そのあたりの情報にも注目してみていきたいと思います。

クリッピング / Stuff.co.nz,10 December 2007
Kyoto move boosts Aust clean energy sector

" Australian clean energy businesses are leaving the embarrassment of the past behind as they prepare to inject an additional $A20 billion (NZ$23b) into new projects over the next decade, following the Rudd government's ratification of the Kyoto Protocol.


Until now, the Australian renewable energy industry has lagged the rest of the developed world, and even some developing countries like China and India, due to a lack of political will and regulatory support.

But the cloud has been lifted.

”Australia's back in the game,”Clean Energy Council head Dominique La Fontaine has said at a UN climate change conference in Bali, which new Australian Prime Minister Kevin Rudd will attend with five senior ministers this week. "
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 こうなるとちょっとオーストラリア関連の再生可能、自然エネルギー関連の情報を集める準備をしたほうがいいと考え、ブックマークを作ってみました。少しづつ充実させていきたいと思います。

オーストラリア / 自然、再生可能エネルギー関連のブックマーク集(2007/12/12)

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