2016/03/29

NEDOと清水建設、米大学と消費電力半減目指す省エネビルの実証実験を開始

 NEDOと清水建設、そして、Shimizu North America LLCがニューヨーク州立工科大学(SUNY Poly)に同大学と協力して消費電力半減目指す省エネビルの実証実験を開始しました。
 ニューヨーク州立工科大学(SUNY Poly)は、米国エネルギー省の計画する、省エネ商業ビル推進の計画にのっとった実証プロジェクトとして、学内にZEN Building、つまりゼロ・エネルギー・ビルを建設しました。今回の日米の共同プロジェクトでは、日本の省エネ・創エネ技術が導入され、標準的ビルと比較して、消費電力の半減を目指すとのことです。
 ニューヨーク州 オールバニーのニューヨーク州立工科大学(SUNY Polytechnic Institute)の昨年オープンしたZEN Buildingは、6階建てで400000平方フィート(およそ37161m2)の床面積の研究所や商業利用も可能な多機能ビルです。 M+W Groupという有名企業も居を構えるということで話題になったりしていました。
 今回日本の協力で導入された技術は、清水建設が開発した、ビル・エネルギー・マネジメント・システム(BEMS)で、具体的には設備や環境を統合的に監視・制御するシステムの下で、空調や照明などの負荷設備と太陽光発電やコージェネなどの創エネルギー設備を機器特性や状況に応じて制御することで、省エネやピークカットを実現します。負荷では、建物側中央監視と連動した照明制御やブラインド制御がアピールされています。太陽光発電や燃料電池の創エネ側との協調で、運用が統合され、全体として半分の省エネ効果が実現されると、次は本格的なゼロビルへの応用が計画されることになります。

 アメリカエネルギー省の計画「Net-Zero Energy Commercial Building Initiative」では、2050年までに全ての業務ビルの正味エネルギー使用量をゼロにすることが計画として掲げられています。
 この分野、日本では国内での取り組みが遅れているとされています。省エネ日本の復権のために、国内でも具体的な動きと成果が期待されるところです。


SUNY Poly Partnership with Japan's NEDO Drives Emerging ‘Green’ Technologies at ZEN Building

TheNanoCollege、2016/03/23)

プレスリリース / 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2016年3月23日
米国ニューヨーク州で省エネルギービル実証を開始

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-----image(上-”今回実証運転を開始したZENビル”、下-”ZENビルに導入した機器”) : 同リリースより-----
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" NEDOと清水建設(株)、Shimizu North America LLCは、ニューヨーク州立工科大学(SUNY Poly)と共同で、2015年に完成したSUNY Poly内のZEN(Zero Energy Nanotechnology)ビルへの省エネルギー実証技術の導入を完了し、3月22日、ZEB実現に向けた実証試験を開始しました。
本事業では、日本の省エネ・創エネ技術を導入し、標準的ビルと比較して、消費電力の半減を目指します。
..........
..........2013年9月16日、NEDOは、ニューヨーク州立工科大学(SUNY Poly)と共同で、省エネルギービルの実証事業を共同で進めていく基本協定書(MOA)を締結し、これまでSUNY Polyが2015年に建設したZEN(Zero Energy Nanotechnology)ビルに対して、ZEB※1実現に向けた技術や機器、システム構築の検討を進めてきました。
 今般、NEDOと清水建設(株)、Shimizu North America LLCは、SUNY PolyのZENビルにおける省エネルギービル実証技術の導入を完了させ、ZEB実現に向けた実証試験を開始しました。
 本実証事業では、NEDOの委託先である清水建設(株)とShimizu North America LLCが、SUNY Polyの建設したZENビルにシミズ・スマートBEMS※2、RFIDを用いた位置情報システム※3、グラデーションブラインド※4、燃料電池システム、太陽光発電システムなどの日本技術を組み込んで、自然と人間の行動に合わせた照明制御など日本が優位性を持つきめ細やかな制御技術を活用したZEBの実証をSUNY Polyと共同で行います。これらの取り組みにより、標準的なビルの理論上の消費電力に対し、約54%に相当する省エネ・創エネ効果を目指します。 また今後、米国における日本の省エネ・創エネ技術の普及を図るとともに、欧州やアジアなどへの世界展開を促進することを目指します。
..........
【用語解説】
※1 ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)
Net Zero Energy Buildingの略で、建築構造や設備の省エネルギー、再生可能エネルギー・未利用エネルギーの活用、地域内でのエネルギーの面的(相互)利用などの対策をうまく組み合わせることにより、エネルギーを自給自足し、化石燃料などから得られるエネルギー消費量がゼロ、あるいは、概ねゼロ、となる建築物のことをいいます。
※2 シミズ・スマートBEMS(ビル・エネルギー・マネジメント・システム)
清水建設が開発した、設備や環境を統合的に監視・制御するシステム。
空調や照明などの負荷設備と太陽光発電やコージェネなどの創エネルギー設備を機器特性や状況に応じて制御することで、省エネやピークカットを実現します。
本事業では、太陽光発電や燃料電池の監視、建物側中央監視と連動した照明制御やブラインド制御を行います。
※3 RFIDを用いた位置情報システム
アクティブ型RFIDタグを用いた、施設内における人の位置情報取得・応用システム。
施設内ゾーン毎の人の在不在や人数などを取得でき、設備制御や施設の使われ方の分析に活用します。
本事業では、ゾーン毎の在室者・人数をリアルタイムに検出し、照明の点滅制御を行います。また、ファシリティマネジメント向けに、滞在履歴情報などを施設利用者に提供します。
※4 グラデーションブラインド
清水建設と立川ブラインド工業、トーソーが共同で開発した、自然光を屋内に採り入れ照明に用いるシステム。
季節・時刻・天候によって変化する太陽高度や日射の影響に応じてブラインドの羽根の角度を制御し、天井間接光として自然光を採り入れ照明負荷を下げる、あるいは熱流入を低減し空調負荷を下げることで省エネを図ります。
.......... "

関連
米国ニューヨーク州で省エネルギービル実証を開始-----清水建設、2016.03.23

SUNY Poly Partnership with Japan’s New Energy and Industrial Development Organization Drives Investment in and Installation of Emerging ‘Green’ Technologies at World-Class ‘Zero Energy Nano’ Building-----SUNY Poly,March 22, 2016
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-----image : 上記リリースより

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-----image : SUNY Poly,March 25, 2016より

"SUNY Poly Partnership with Japan’s New Energy and Industrial Development Organization Drives Investment in and Installation of Emerging ‘Green’ Technologies at World-Class ‘Zero Energy Nano’ Building."

Japanese Officials Visit SUNY Poly ZEN Building-----WAMC,MAR 25, 2016

参考



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2016/02/29

世界でもっとも”グリーン”なビルとは? シアトルのブリットセンター Bullitt Center の紹介

 ネットエネルギーゼロのビル。まず頭に浮かぶのが、極省エネにして太陽光発電で電力を賄うというような電力自給のビルディングです。
 ということでネットで調べてみると、世界でもっともグリーンな商業ビルはシアトルのブリットセンターだという記事を発見しました。この下の記事は、つい先日刊行された「The Greenest Building: How the Bullitt Center Changes the Urban Landscape(@amazon)」の紹介だったのですが、

The Greenest Building: How the Bullitt Center Changes the Urban Landscape-----Living Future Ins., January 21, 2016

 シアトルに2013年に建設された、ブリットセンター Bullitt Centerは、敷地面積4645平方mの6階建ての商業ビルです。当初から環境に配慮し、エネルギー的にも自立した設計を盛り込んで立てられています。同ビルの機能紹介のページには、紹介すべき17のポイントが紹介されています。その中でこのビルを特長づけていると思われるのは、屋根の太陽電池により電力はすべて賄われている。トイレのし尿は、コンポスト化され肥料と水分ともに植物の生育に供されている。暖房効率、快適さを実現するように屋内空気環境とその循環が整えられている。さらにこれらのエネルギーと水の利用量や、空気のデータは、リアルタイムに表示されて、利用者にこのビルの機能を知らせることができる、など。
 このビルの総工費は、約3000万ドル。建設されてから、数々の賞に輝いている。シンプルなデザインで、強省エネと先進のデザインを組み合わせたビルとなっているようです。


関連
Bullitt Center
Bullitt_center_hp
----image : 上記サイトより
/ Building Features


参考
 このビルの様子がわかる記事と動画を紹介しておきましょう。

Bullitt Center(ブリットセンター):シアトルで成功した太陽エネルギープロジェクト-----Mother Earth News,2015/10/23

Daniel Blumberg assignment 4 Precedent Conditions Research Bullitt Center

(Daniel Blumberg、2016/02/07 )

コメ-同ビルの建築中、運用中の写真を紹介するコーナーもおすすめです。働いている人も自由な感じで、くつろげそうなビルですね。


2016/2/26 のしなやかな技術研究会のクリッピング

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2016/02/26

採蜜の革命! Flow Hive 蜜蜂巣箱の秘密は独自のハニカム構造にあり

 ミツバチの巣箱と蜜の採集の仕方をレクチャーしていただく機会が最近ありました。手仕事の場合、手間がかかり、技術と経験の世界でした。
 また、数年の施行さくごの後に、日本みつばちの養蜂に成功し、何年も行っている知人の経験も少し見たことがあります。いずれも、昆虫を使った遊牧という感じで、部族的な香りのする深い生活感にあふれたものでした。

 結果、養蜂には腰をすえて相当の勉強をしないとできないんだなと考えてきました。実際は、いくら便利な道具を使っても大変な世界なんでしょうが、昨日ネットでみかけたこの蜜蜂巣箱Flow Hiveの動画を見たときには、驚きました。すごい、あのハニカム構造の蜜ろうの巣を壊さずに蜜を採集し、また元に戻せるということに奇跡のような驚きを感じました。これが、実際に日本の現場で役に立つのかどうか? それは、研究してみないと判断がつきませんが、とにかく紹介しておきます。採蜜の革命! Flow(TM) Hive 。

Flow(TM) Hive Full Reveal

(FlowHive、2015/02/22 )

 中の蜂蜜が蓄えられるフレームと呼ばれる部材を取り出し、その仕組みを紹介したのが下のビデオ。通常は取り出すことなく、基本的になんども巣として、そして採蜜時には、構造がスライドして蜜を取り出し、そしてもとに戻せる。これにより、継続的な採蜜が可能だという。画期的な巣箱だと思うのだが、専門家に意見を聞いてみたいところです。

Bench Test Flow Frame

FlowHive、2015/03/03 )

関連
Flow(TM) Hive
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-----image : galleryより

Flow_hive_hp_store
-----image : Shopより
コメ-上の写真のUS$699のセットが基本的なセット。商売用のシステムなども取り扱っています。4月からの出荷と書かれています。おもしろい。頭の中にミツバチの飛ぶ、お花畑が、、、。


2016/2/25 のしなやかな技術研究会のクリッピング

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2016/02/22

川崎汽船 "K"LINE、7,500台積み自動車運搬船“DRIVE GREEN HIGHWAY” をお披露目

 低燃費・低排出自動車運搬船"DRIVE GREEN HIGHWAY"が竣工、ジャパン マリンユナイテッドの有明事業所(熊本県玉名郡長洲町)にて建造され、川崎汽船株に引き渡されました。引き渡し後にお披露目されたその内容は、省エネ性能だけでなく、太陽光発電や水耕栽培などが取り入れられ、自動車運搬船としての最高の性能だけでなく、随所にちりばめられた工夫が大きな注目を集めました。環境性能は、既存船と比較して輸送車両1台あたり、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量を25%以上削減、さらに環境汚染の因子が含まれる窒素酸化物(NOx)を90%以上、硫黄酸化物(SOx)を50%以上削減できる見込みです。

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-----image(”新開発の船舶用水耕栽培システム”) : 川崎汽船見学会(終了)の案内より

 水耕栽培の詳細も知りたいのですが、得られたのは上の写真のみ、今後の情報に期待しています。太陽電池は、ソーラーフロンティアのもので、150kWp。船舶向けとしては世界最大規模。発電された電力は、車両デッキすべてのLED照明を賄える見込みです。


プレスリリース / 川崎汽船、2016年02月16日
7,500台積み自動車運搬船“DRIVE GREEN HIGHWAY” をお披露目
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-----image(下-DRIVE GREEN PROJECTの概要) : 同リリースより-----
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" 去る2月9日、ジャパンマリンユナイテッド株式会社有明事業所にて、7,500台積み自動車運搬船10隻シリーズの第三船目となる”DRIVE GREEN HIGHWAY”が竣工し、2月12日、13日に横浜港大さん橋国際客船ターミナルでお披露目式・見学会を開催しました。

 本船の建造は、最先端の技術を結集して究極の省エネと環境保全を追求する「DRIVE GREEN PROJECT」(※)として進められてきたものです。幅広デザインなどにより積載可能台数を約20%増やすとともに、先進の環境技術を採用することで、輸送車両1台あたりの二酸化炭素(CO2)排出量を25%以上、窒素酸化物(NOx)を50%以上、硫黄酸化物(SOx)を90%以上削減することを可能としています(いずれも既存大型船比)。
..........
【本船概要】
主要寸法 :全長199.99m x 幅37.50m x深さ38.23m
載貨重量 :20,034トン
総トン数 :76,387トン
船籍    :パナマ

【本船に搭載された主な新技術】
1. NOx生成抑制装置付エンジン
 燃料油に水を添加する「水エマルジョン燃料装置」と、排気ガスを掃気に還流させる「排気ガス再循環装置」の組み合わせによりNOx排出量を大幅に低減します。またエンジン出力に応じて効率的な過給機の運転を自動制御する装置も搭載..........

2. SOxスクラバー(大型排気ガス浄化装置)
エンジンの排気ガスの出口部分に「スクラバー」と呼ばれる大型の浄化装置を設置し、SOxを海水もしくは清水で洗い流します。..........

3. 太陽光発電システム
太陽光によって発電された電力を有効に船内で利用するシステムとして、積荷スペース用LED照明供給を賄います。船舶向け太陽光発電システムとしては世界最大級の発電量を誇ります。本船にはソーラーフロンティア株式会社製の太陽光発電システムを搭載しております。

4. 水耕栽培装置
船内で色々な野菜を育てることで、乗組員に新鮮でおいしい野菜を食べてもらうことが出来ます。また船内生活における癒しの提供なども期待されている装置です。本船には兵神機械工業株式会社製の水耕栽培装置を搭載しております。

その他にも、高効率プロペラ、冷却海水ポンプならびに機関室通風装置のインバータ制御、発電機エンジン排ガスエコノマイザ、ボイラー水エマルジョン装置、LED照明、低摩擦塗料、遮熱塗料、最適運航支援システムなどの多様な省エネ・CO2削減技術を採用しています。
.......... "

関連
”DRIVE GREEN PROJECT”

(川崎汽船株式会社 "K"LINE、2015/05/28)
-----“DRIVE GREEN PROJECT”、進行中-----
DRIVE GREEN PROJECT:メインエンジンの起動試験。艤装が進みソーラーパネルも設置された。

(川崎汽船株式会社 "K"LINE、2016/02/01)

ソーラーフロンティア、CIS薄膜太陽電池パネルを
川崎汽船の世界最高水準の低エミッション船に搭載
-----2016年2月9日

参考

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2016/02/21

CAT Phones、赤外線サーモ機能搭載のアンドロイドスマホ「CAT S60」を開発

 CAT Phones、あのキャタピラー社のスマホ開発部門が赤外線サーモ機能搭載のアンドロイドスマホ「CAT S60」を開発したそうです。

 前から欲しかったものとして、手軽に買えて使える赤外線サーモメーターやカメラがありました。家の開口部からの隙間風と放射熱をはかり、エコハウス診断。屋根に登って、太陽電池の面を撮影し、熱の変化や場合によっては不具合の発見。人を測って、いろいろ実験したりとやりたいことはたくさん。森の中にいって、小動物を探すなんてこともできたら便利で楽しいだろうと、考えておりました。ただ、ほとんどの製品が高価で、いつも持ち歩くという使い方には向かない。

 と、キャタピラーが世界初の赤外線サーモカメラ搭載の頑丈系スマホ「CAT S60」を開発したということで、希望が芽生えました。FLIRの赤外サーモグラフィーカメラを搭載し、海外で2016年後半に599ドル(約6万7000円)/649ユーロ(約7万3000円)で発売予定とか、、、。日本での販売はかなり微妙かなぁ。でも、発売するならiPhoneに3月に戻るのをやめて、待ってもいいんだけどなぁ。ほしい。

プレスリリース / CAT Phones、February 18, 2016
CAT® S60 ANNOUNCED AS WORLD'S FIRST SMARTPHONE WITH INTEGRATED THERMAL CAMERA
S60pr
-----image : 同リリースより

関連



参考
 スマホに後付という選択肢としては、FLIR ONE for iOS and FLIR ONE for Androidという手もある。3万円半ばで手に入るようです。

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2015/10/16

地熱の開発には、時間がかかります

 3社、出光興産、国際石油開発帝石、三井石油開発は、地熱発電の事業化に向けて2011年より調査を開始した北海道阿女鱒岳(あめますだけ)地域(赤井川村)において、地熱構造試錐井(しすいせい)の仮噴気試験を実施しました。調査開始から4年を経て、今回の仮噴気試験をはじめとした今後の調査結果をもとに、第3段階の調査(試験井掘削、生産・還元試験、貯留層能力評価、環境調査など)への移行を判断するとのことです。

 地熱の開発には時間がかかります。大規模の地熱発電の開発には最低でも10年程度を要するため、国内で複数実施される試錐井の掘削試験の結果が良好でも、地熱発電所が建設されるのは、2020年代の中盤にかかってしまいます。
 地熱発電のポテンシャルとしては、アメリカ、インドネシアについで世界第三位の日本ですが、実際の発電利用の規模では、世界9位の規模です。ポテンシャル一位のアメリカは、発電規模でも一位、二位のインドネシアも三位の発電規模(二位はフィリッピン。フィリッピンのポテンシャルは日本に次ぐ4位)となっています。
 日本の地熱が出遅れている理由の一つに適地のほとんどが国立・国定公園内ということが指摘されてきました。この点については、環境省は公園内の建築物に対する高さ規制を撤廃、さらに規制対象地域の周辺から地下にある地熱資源まで傾斜掘削を認めることになりました。この規制緩和によって地熱発電の導入が拡大することが期待されます。しかし、それでも大規模な地熱発電が働き始めるのは、早くても2020年代の半ばから2030年代です。

 国の長期的なエネルギー政策、手堅い施策が必要です。日本の地熱発電。手堅く地道に、確実に進めたいところです。

おすすめエントリー
出光興産ら3社、北海道阿女鱒岳地域において、試錐井の仮噴気試験を実施-----ソフトエネルギー、2015/10/16


参考

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2015/01/14

広がる水道関連施設への小水力発電の導入。山形県で新たに運開!

コメ-
 昨年末、山形県で水道関連施設を利用した小水力発電施設、35kWの規模の天童量水所小水力発電所が運転を開始しました。小さな規模にも見えますが、基本24時間発電する水力発電ですから、同じ規模の太陽光発電の8倍程度の貢献度が期待できます。8倍とすれば、太陽光発電所にして280kWの出力規模に相当することになります。
 こうした水道、そして下水関連の未利用な水の位置エネルギーを利用した小水力発電の実例もだんだん増えてきています。これが、さらに全国の自治体で利用されることにでもなれば、大きな数字になります。
 
 こうした上下水道関連や工場の既存の導水・用水管を利用した水力発電の場合、工事やメンテナンスの簡単さもコストとともに重要な要素です。なによりも、本来の水の流れや役目を阻害してはなりませんから、その信頼性も問われることになります。
 全国で実例が増える中で、こうした小水力発電専用の機器の開発も進みます。
 未利用な水の”エネルギー資源”としての広がりにも注目しましょう。


関連
山形県、35kW天童量水所小水力発電所を運開。田中水力のリンクレス・フランシス水車を利用-----ソフトエネルギー、2015/01/14


参考
ダイキン工業、富山県南砺市で管水路用マイクロ水力発電(最大15.3kW)を実証実験-----ソフトエネルギー、2014/11/13

群馬県、水道用水を用いた水力発電所、60kW新田水道発電所を運開-----ソフトエネルギー、2014/10/03

東京都水道局、340kW小水力発電設備を葛西給水所内に完成。売電開始!-----ソフトエネルギー、2013/10/02

富山県、二上浄化センターに放流水利用の10kW小水力発電設備が完成-----ソフトエネルギー、2013/02/21

東京発電、さいたま市水道局大宮配水場に水の余剰圧力を利用した50kW水力発電所を設置-----ソフトエネルギー、2011/05/20

奈良県生駒市、自治体初となるFIT適用の40kW山崎浄水場小水力発電施設をお披露目-----ソフトエネルギー、2013/03/14

安城市が上水道で水力発電 / クリッピング 中日新聞-----ソフトエネルギー、2006/03/29


[ ソフトエネルギー カテゴリー : 水力発電 ]

・Twilog @greenpost : #renewjapan #renewhydro(国内の水力発電の情報)


おすすめエントリー
東京ガス、停電時でも自立起動して発電可能な「エネファーム」を品川のマンションへ-----ソフトエネルギー、2015/01/14

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2015/01/09

協和機電工業ら、福岡県に100kW規模の浸透圧発電所を建設へ

コメ-
  水処理などを行っている長崎県の協和機電工業は、浸透圧発電の実用施設を福岡市東区に建設、稼働させるとのことです。報じた西日本新聞によると、出力規模は100kWで浸透圧発電装置の建設予定地は、1日当たりの処理能力5万トンを誇る、日本最大の淡水化施設「海の中道奈多海水淡水化センター」(通称まみずピア)。今後、大学や他企業を加えて新会社を設立し、約4億円かけて発電施設を建設するとのことです。
 数キロワット(4kW ?)の規模では、2009年にノルウェーのスタットクラフト Statkraft が浸透膜発電プラントでの実証実験を成功させています。しかし、実用化の前にはコストの壁が大きく立ちはだかります。より安い膜や効率的なシステムの確立が鍵となってきました。
 今回福岡では、淡水化施設の塩分濃度差を活用し、しかも、「淡水化で発生する濃縮海水はそのまま海に戻すと生態系への影響が懸念されるが、浸透圧発電では下水処理水を混ぜることで、通常の海水並みに濃度調整できるメリットもある」(西日本新聞)とのことです。しかも、今回の規模は100kWで売電を前提としたプラントが作られるということです。

 世界初の塩分濃度差発電、浸透圧発電プラントとしての世界が期待されます。


関連
浸透圧発電 初の実用化 淡水化施設の塩分濃度差活用 福岡市で年内稼働 長崎の企業、世界市場へ-----西日本新聞、2015年1月5日

・協和機電工業 : 福岡海水淡水化紹介 平成17年4月供給開始 海の中道奈多海水淡水化センター

"..........
施設規模
50,000m³/日[生産水量]
施設構成
浸透取水設備・UF膜設備・高圧RO設備・低圧RO設備・生産水導水設備)
......... "


参考エントリー
日東電工、ノルウェーのスタットクラフト Statkraft と浸透膜発電 Osmotic Power の共同技術開発契約を締結-----ソフトエネルギー、2011/06/27

ノルウェーで世界初の浸透膜発電(osmotic power)の実証プラントが稼働-----ソフトエネルギー、2009/11/30

ノルウェーの浸透膜発電計画 Osmosis Power-----ソフトエネルギー、2007/11/21


おすすめエントリー
岡山大学、畜産由来のバイオガスを燃料とする固体酸化物燃料電池を開発中-----ソフトエネルギー、2015/01/08

資料2014 「未利用材の供給不足が懸念される木質バイオマス発電」 農林中金総合研究所-----自然エネルギー、2015/01/08

国は、夏までに自民党政権としてのエネルギー政策(エネルギーミックス)を明らかにする方針-----しなやかな技術研究会、2015/01/07

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2014/06/29

都道府県別再生可能エネルギーの関連情報

 ここ数年、ツイッターでのブックマーク作りで、県別に力を入れてみました。

 47都道府県の情報を、ツイログのリンクで揚げてみました。

 まずは、北からTwilogで北海道、青森県、秋田県、

1・Twilog @greenpost : 北海道(2011年08月23日より。203件)

コメント -  北海道は、北海道省エネルギー・新エネルギー促進行動計画改定有識者検討会議が昨年より開催され、新エネルギーとして、その導入目標の策定が進んでいます。再生可能エネルギーのポテンシャルは高いですが、人口および人口密度は低く、商用電力線網の充実やスマートグリッド化が大きな課題です。

関連エントリー
北海道の再生可能エネルギー関連の情報-----再生可能エネルギー、2014-06-27


2・Twilog @greenpost : 青森(2012年02月07日より。84件)

コメント -  青森の情報のクリッピング数が北海道に比べて少ないなぁ。これから、意識して情報を探してみることにします。

関連エントリー
青森の再生可能エネルギー関連の情報-----再生可能エネルギー、2014-07-01


3・Twilog @greenpost : 秋田(2012年02月01日より。94件)

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2014/02/13

東京メトロ、非常用バッテリーを使用し東西線西葛西駅 - 南砂町駅間2.7kmを災害等対応の自力走行実験に成功

 東京メトロは、東西線西葛西駅~南砂町駅間2.7kmの区間を、回生エネルギーにより蓄電された、地上置きバッテリーを利用し、自力で走行する実験に成功しました。これにより、震災等の影響により停電が発生したときに、安全かつ迅速に避難するために、駅間や長大橋梁に停止した列車を最寄り駅まで救済する処置が可能となるということです。
 この実証実験は、日立製作所と協力して実施されたもので、同社の昨年10月のリリースによると、EM-B tractionと命名された、蓄電池式回生電力貯蔵装置(B-CHOPシステム)を応用したものになっています。このシステムでは、非常時対応だけでなく、通常時には貯蔵した電力で加速列車をアシストすることが可能です。運行に必要な総電力量の削減に寄与することも期待されます。この装置にはリチウムイオン電池が使用されています。発表によると、リチウムイオン電池を使用した非常用地上バッテリー装置のみによる列車の自力走行は国内初だということです。


プレスリリース / 東京メトロ、2014年1月31日
ニュースリリース / 新たな可能性への挑戦!!  非常用地上バッテリー装置による列車の自力走行に成功!  非常用地上バッテリー装置を使用し東西線西葛西駅~南砂町駅間2.7kmを走行

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-----image : 同リリース

" 東京メトロ(略)では、震災等の影響により停電が発生したときに、お客様に安全かつ迅速に避難いただくため、駅間や長大橋梁に停止した列車を最寄り駅まで救済するための非常用走行バッテリーの研究を進めております。

 平成 26 年 1 月 26 日に、株式会社日立製作所と協力し、「非常用地上バッテリー装置※」に蓄えた電力のみを使用し、東西線西葛西駅~南砂町駅(2.7km)の列車自力走行に成功いたしました。 この装置のバッテリーはリチウムイオン電池を使用しており、リチウムイオン電池を使用した非常用地上バッテリー装置のみによる列車の自力走行は国内初です。

※ 非常用地上バッテリー装置は、駅・駅間等に設置するもので、通常時は回生電力を吸収して蓄えた電力で加速列車をアシストすることで省電力化に貢献しつつ、非常時は電車線に電力を供給することで、駅間や長大橋梁に停止した列車を停電時でも最寄り駅まで救済することを可能にするものです。

今回の列車自力走行実験の結果を踏まえ、お客様にいっそう安心してご利用いただけるような新たな鉄道システムの構築に取り組んでまいります。
........... "

関連
非常用地上バッテリー装置(EM-B traction)を使用した鉄道車両走行試験の実施-----日立製作所、2013年10月7日
Hitachi_kaisei_renewbattery_train
-----image : 上記リリースより

"..........東京メトロ)と共同で、震災等の大規模災害の影響で停電した際に、駅間で停止した列車が最寄り駅へ自力走行する電力を供給する非常用地上バッテリー装置(以下、EM-B traction)を使用した車両走行実験を2014年1月から開始予定です。

日立は2013年3月より、東京メトロと協力してEM-B tractionの研究を進めています。
EM-B tractionは、蓄電池式回生電力貯蔵装置(以下、B-CHOPシステム)で確立した日立の技術を応用したもので、列車の停止や減速の際に発生する回生電力を吸収して蓄電池に貯蔵し、列車の運行に必要な電力として利用するシステムです。通常時には、蓄電池に一時的に貯蔵した電力で加速列車をアシストすることで、運行に必要な総電力量の削減に寄与します。大規模停電などの非常時には、貯蔵した電力を電車線へ供給し、駅間で停止した列車を最寄り駅まで自力で走行させることが可能となります。
.......... "

地球環境と東京メトロ

".....TOPIC2 東京メトロ・エコプロジェクト「みんなでECO.」始動.....西線では、電車がブレーキをかけたときに発生する回生電力を駅舎向けに供給する実証実験を行っている..... "

東京メトロ 2012ニュースリリース / 2012年8月7日 回生電力の有効利用による 駅施設の省エネ推進に向けて 駅舎補助電源装置を導入し実証実験を行います(PDF)
Tokyometro_kaisei_brake
-----image : 上記リリースより

".....三菱電機株式会社と協力し、
電車がブレーキをかけたときに発生する回生電力を駅舎向けに供給する駅舎補助電源装置を平成
24 年 8 月中旬に東西線の西船橋変電所に導入し、約 2 か月間にわたって実証実験を行います。
..... "

関連エントリ
東京メトロ、東西線妙典駅のホーム屋根に280kWpの太陽光発電の整備計画を発表-----ソフトエネルギー、2012/05/31

参考エントリー
東芝は、高効率のモーターと回生ブレーキシステム、そして新開発のインバーターを阪急電鉄 8000系車両に搭載し、従来比約50%の省エネを実証-----しなやかな技術研究会、2012/10/25

"....東京地下鉄株式会社(以下、東京メトロ)16000系車両にて採用されている高効率の全閉PMSMとVVVFインバータ装置のシステムにおいて、東京メトロ06系車両に搭載しているIMとVVVFインバータ装置のシステムと比べて、力行の消費電力量を削減し、制御の見直しによる電力回生ブレーキの負担の増加により、営業運転にて39%の消費電力量削減を実現しています。....."

続きを読む "東京メトロ、非常用バッテリーを使用し東西線西葛西駅 - 南砂町駅間2.7kmを災害等対応の自力走行実験に成功"

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