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2011/02/25

海洋研究開発機構など、世界の気候変動研究を先導する成果を発表。IPCCの第5次報告書にも貢献

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次報告書の原案の作成が進んでいる中で、東京大学大気海洋研究所、気象庁気象研究所は、世界の気候変動研究を先導する成果を発表しました。

「地球環境予測では、将来の二酸化炭素などの濃度シナリオを用いた実験を行い、それを実現させるために要求される化石燃料起源の二酸化炭素排出量を求めたところ、温度上昇を2度以下に抑えることを意識したシナリオの場合、今世紀後半には化石燃料起源の二酸化炭素排出量をゼロ以下(人為的回収)にしなければならないことが分かりました。」

 今世紀後半といっても、採用するシナリオしだいでは、産業革命以後の世界の平均気温上昇を2度以下に抑えるためには、2040年代には化石燃料起源の二酸化炭素(CO2)排出量をほぼゼロに抑えなければならないという試算となるそうです。

 これらの計算には、地球シミュレータの地球システム統合モデルが利用され、将来の気候変動予測研究に新しい知見を加えることができるとのことです。
 具体的な応用としては、極端現象予測において、台風やハリケーンの変化、梅雨の変化などの予測を行い、台風に関しては、台風の活動最盛期である7月から10月の期間に台風の存在頻度が減少すること、台風経路は東へ偏ること、東南アジア沿岸域への接近数が減少すること、最大風速で見た台風の強度は増加することが分かったそうです。
 台風の頻度の低下と強度の増加。最近の天候を考えると被害の拡大が懸念される地域もでてきそうで気になるところです。

プレスリリース / 海洋研究開発機構、東京大学大気海洋研究所、気象庁気象研究所、2011年 2月 23日
IPCCに向けた主要な数値実験の終了とその成果

Image01Image02
-----image(左-図1:実験に用いた4つのCO2濃度シナリオと、RCP8.5の排出量シナリオを元に新ESMで予測したCO2濃度の時間変化。右-図2:図1の4つの濃度シナリオを用い、新ESMを用いた実験から計算された化石燃料起源CO2排出量。) : 同リリースより

" 世界の気候変動研究を先導
【ポイント】
・IPCC AR5に向けて、世界に先駆けた気候変動予測研究の新たな知見を創出
・IPCC 新シナリオを実現するための今世紀の化石燃料起源CO2排出量を算出
・近未来気候予測実験に成功
・温暖化による台風の接近数は減るが強度が増す可能性を予測

..........文部科学省「21世紀気候変動予測革新プログラム」(以下、「革新プログラム」。2007年度~2011年度)に参画し、地球環境予測、近未来予測、極端現象予測等、世界に先駆けた気候変動予測研究を進めております。その中で、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書(AR5)*1に向けた気候変動予測の主要な数値実験がほぼ終わり、その計算結果の解析から新たな知見が出始めました。
地球環境予測では、将来の二酸化炭素などの濃度シナリオを用いた実験を行い、それを実現させるために要求される化石燃料起源の二酸化炭素排出量を求めたところ、温度上昇を2℃以下に抑えることを意識したシナリオの場合、今世紀後半には化石燃料起源の二酸化炭素排出量をゼロ以下(人為的回収)にしなければならないことが分かりました。
近未来予測では、観測データを取り入れた新しい手法により、人為要因による温暖化と自然の気候変動の両方を予測できる可能性が示されました。とくに、過去10年全球温度上昇が鈍ったかにも見えましたが、これからの10年は温暖化が本格化することが予想されました。
極端現象予測では、台風の活動最盛期である7月から10月の期間に台風の存在頻度が減少すること、台風経路は東へ偏ること、東南アジア沿岸域への接近数が減少すること、最大風速で見た台風の強度は増加することが分かりました。
今後、必要な追加実験を実施し、詳細な解析を行うことで、気候変動に関する新たな知見が蓄積され、IPCC AR5に大きく貢献することが期待されます。
..........
2. 研究内容と成果
地球環境予測では、森林などの生態系や二酸化炭素の循環を取り扱った地球システム統合モデルを使用して、西暦2300年までの地球温暖化予測実験を行い、長期的な地球環境の変化を予測しております。将来の二酸化炭素などの濃度シナリオを用いた実験を行い、それを実現させるために要求される化石燃料起源の二酸化炭素排出量を求めたところ、温度上昇を2℃以下に抑えることを意識したシナリオの場合、今世紀後半には化石燃料起源の二酸化炭素排出量をゼロ以下(人為的回収)にしなければならないことが分かりました。(詳細は参考資料1)
近未来予測では、高解像度の大気海洋結合気候モデルを構築し、人為要因による2030年程度までの近未来の気候変化の予測実験を行っております。観測データを取り入れた新しい手法により、人為要因による温暖化と自然の気候変動の両方を予測できる可能性が示されました。とくに、過去10年全球温度上昇が鈍ったかにも見えましたが、これからの10年は温暖化が本格化することが予想されました。(詳細は参考資料2)
極端現象予測では、水平方向に細かい格子を持つ大気モデルを使用した、極端な気象現象の正確な予測を行い、台風やハリケーンの変化、梅雨の変化などの予測を行っております。特に台風に関しては、台風の活動最盛期である7月から10月の期間に台風の存在頻度が減少すること、台風経路は東へ偏ること、東南アジア沿岸域への接近数が減少すること、最大風速で見た台風の強度は増加することが分かりました。(詳細は参考資料3)

3. 今後の期待
今後、最新のデータに基づく追加実験や、自然災害等の気候変動の影響評価を継続し、気候変動に関する知見を蓄積することで、IPCC AR5の策定に大きく貢献するとともに、気候変動に対応するための基礎的な情報として利用されることが期待されます。
..........
参考資料1

地球環境予測:チーム代表 時岡達志
(海洋研究開発機構, IPCC貢献地球環境予測プロジェクトリーダー)
新しい地球システム統合モデルによるシナリオ予測実験の大半を終了
..........RCP2.6(CO2濃度410ppm、メタン等を加え450ppm相当で安定化)を実現させようとしますと、2040年代には化石燃料起源のCO2排出量をほぼゼロにしなければなりません。.......... "

関連
東京大学大気海洋研究所

気象庁気象研究所

IPCC - Intergovernmental Panel on Climate Change / IPCC Fifth Assessment Report (AR5)
/ IPCC Fourth Assessment Report (AR4)

参考エントリー
気候の安定化に向けて直ちに行動を!―科学者からの国民への緊急メッセージ― / 環境-----しなやかな技術研究会、2007/02/05


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