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2010/11/25

JFEエンジニアリング、二酸化炭素を常温・常圧でハイドレート化し超低コストで分離・回収する技術を世界ではじめて開発

 JFEエンジニアリングは、同社独自のネオホワイト・ハイドレート法により二酸化炭素を常温・常圧でハイドレート化し超低コストで分離・回収する技術を世界ではじめて開発したと発表しました。二酸化炭素を含む水を特定の圧力下で低温にすると、二酸化炭素のみがシャーベット状の固体(ハイドレート)になり、分離・回収が可能になるそうですが、これまでは高圧・低圧環境を必要としたためにコストが高くなっていたということです。今回、ネオホワイト(=7℃程度でハイドレート化する新しい物質)を微量に加えることで、二酸化炭素のハイドレート化が促進され、それに必要な圧力・温度条件が大幅に緩和されることを応用できる技術の確立に成功したということです。

 今回の技術で、二酸化炭素トンあたり2,500円程度のコストとなるとのことです。数字的にはピンときませんが、発表によると従来の技術の半分程度に相当するということです。今後はさらに大型の施設での実証実験を行うということです。
 
プレスリリース / JFEエンジニアリング、2010年11月18日
二酸化炭素の超低コスト分離・回収技術を世界で初めて開発

E10015_02
-----image(上-”ハイドレート概念図”、下-”プロセス図”) : 同リリースより-----
E10015_03

" 独自の「ネオホワイト・ハイドレート法」で、コスト半減を実現
.....このたび、二酸化炭素をほぼ常温・常圧でハイドレート化し、分離・回収する技術の開発に、世界で初めて成功しました。

 二酸化炭素を含む水を特定の圧力下で低温にすると、二酸化炭素のみがシャーベット状の固体(ハイドレート)になり、分離・回収が可能になります。このことは古くより知られていましたが、高圧・低温※1にするランニングコストが高いため、実用化は困難であると考えられていました。
 当社は、二酸化炭素を微細気泡化して水と混合した上で、「ネオホワイト」※2を微量加えると、二酸化炭素のハイドレート化が促進され、それに必要な圧力・温度条件が大幅に緩和される現象を見出しました。

 「ネオホワイト」とは、当社が独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同開発した蓄熱媒体であり、7℃程度でハイドレート化する新しい物質です。この技術を発展させることで、二酸化炭素のハイドレート化に必要な圧力や温度条件をコントロールすることが可能になりました。ベンチ試験では、ほぼ常圧・常温※3でも二酸化炭素をハイドレート化でき、その分離・回収が可能であることを確認しました※4。

 この結果、ランニングコストを大幅に削減できることになり、実プラント規模では、二酸化炭素トンあたり2,500円程度のコストでの分離・回収が可能になります。既存技術である化学吸収法と比べ、吸収した溶液から二酸化炭素を分離するために必要な熱エネルギーが不要のため、より広範な排出源に従来※5の半分程度のコストで適用できます。

 今後は、火力発電所や製鉄所などの燃焼排ガスからの二酸化炭素分離・回収プラント(30~100万t/年)を前提に、更なる大型設備での実証試験を目指します。


※1: 例えば、温度5℃の場合、2.2Mpa以上にすることが必要
※2: ネオホワイトとは、当社が独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同開発し、商品化している蓄熱空調システムの蓄熱材(水和物スラリ)の商品名。氷が0℃で固体になるのに対し、ネオホワイトは空調温度に適した5℃~7℃でハイドレートを形成してスラリ状となり、冷熱を蓄熱する空調システムの冷房効率を大幅に高めることができる。ネオホワイト蓄熱空調システムは、既に国内外に多数の実績がある。
※3: 圧力=0.11Mpa、温度=18℃
※4: 鶴見製作所内のベンチ試験設備(下写真)にて確認。処理能力:3t/日

E10015_01
-----image : 同リリースより
※5: 経産省技術戦略ロードマップ2010「CO2固定化・有効利用分野の技術マップ(技術リスト)(分離・回収)」では「4,900円~5,800円/t-CO2」および「4200円/t-CO2」と記載。
......... "

コメント続き

 最近、二酸化炭素の分離、貯留、転換のための技術に関する情報を目にする機会が増えてきました。大規模排出源での回収方法も世界中で研究・開発されています。いろいろと勉強することがありますねぇ。

二酸化炭素貯留

 炭素隔離貯留技術(Carbon Capture and Storage)で検索するとさまざまな情報があります。気候変動およびエネルギー問題における”出口”側の技術です。
 そして、私たちは消費とエネルギー転換、輸送移動の技術といった入り口と中身についての議論や技術の開発を進める必要があります。一般家庭だけの話ではなく、産業、移動・輸送、転換の全体のエネルギーの仕組みにより広範に取り組むことができるかが問われています。

 どの技術にどの段階でどれくらいの資金と努力を傾注するのか、、、、。日本には、いい技術がたくさんあるだけに、世界へのアピールも含めて、いろいろと内容が問われています。政治状況を考えると、困難の大きさに戸惑うほどです。こんな状況の中で、真摯に技術開発に取り組まれている方々の努力に敬意を感じます(t_t)


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