« アフガニスタンのペダルパワー OLPC XOラップトップ | トップページ | パナソニック、デンマークの電力会社と共同でスマートグリッドを意識した家庭用エネルギーマネージメントシステムを実験を開始。COP15でも展示すると発表 »

2009/11/27

海洋研究開発機構、共同研究で北極海がある種の海洋生物にとって住みにくい海になっていることを初めて発見。二酸化炭素の海中への溶け込みによる環境変化をリポート

 海洋開発研究機構は、カナダのと共同で増加した大気中の二酸化炭素のおおそ三分の一が海中に溶け込むことに着眼、その増加による影響を炭酸カルシウムを殻に持つプランクトンの生活環境たる海洋の変化という形で研究し、結果、北極海が炭酸カルシウムの殻を持つ海洋生物にとって住みにくい海になっていることを初めて発見。二酸化炭素の海中への溶け込みによる環境変化をリポートとして発表しました。
 二酸化炭素は、地球温暖化や気候変動を引き起こす大きな要因であると考えられています。その増加により、海中に溶け込む量も増え、海水の酸性化に拍車をかけていると指摘されています。二酸化炭素の増加と海洋生物の生態系への影響が、北極海でも確認されたことになります。

プレスリリース / 海洋研究開発機構、2009年11月20日
北極海が炭酸カルシウムの殻を持つ海洋生物にとって住みにくい海になっていることを初めて発見

" 海洋研究開発機構
カナダ漁業海洋省海洋科学研究所

海洋酸性化と海氷融解の二重の影響

1.概要
独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)地球環境変動領域北半球寒冷圏研究プログラム北極海総合研究チームとカナダ漁業海洋省海洋科学研究所は共同で太平洋側北極海における観測研究を行ってきた結果、炭酸カルシウムを殻に持つプランクトンなどの海洋生物にとって北極海カナダ海盆が世界で最も早く住みにくい海 (炭酸カルシウムに対して未飽和な海) になってしまったこと、そしてこれが人為起源二酸化炭素の増加に伴う海洋の酸性化に加えて近年の北極海での急激な海氷減少(融解)による影響で起きたことを、世界で初めて明らかにしました。
この成果は11月20日号の米国科学振興協会発行のScience誌に掲載されます。

タイトル:Aragonite undersaturation in the Arctic Ocean: effects of ocean acidification and sea ice melt
著者名: 川合美千代、F.A.McLaughlin、E.C.Carmack、西野茂人、島田浩二
2.背景
 人為起源二酸化炭素の増加は地球温暖化や気候変動を引き起こす大きな要因であると考えられています。大気中に排出された二酸化炭素のおよそ3分の1は海洋に溶け込み、その結果として海水を酸性に近づけてしまうこと(海洋酸性化)が近年問題となっています。二酸化炭素が海洋に溶け込むと、水素イオン濃度が増加してpHが下がるため、中和反応によって海水中の炭酸イオン濃度が減少します。海水中の炭酸イオンは炭酸カルシウムの殻や骨を持つプランクトン・甲殻類・魚などの海洋生物に必要な物質なので、その濃度の低下はこれらの海洋生物を危険にさらす可能性があるのです。これまでの予測研究などから、大気中の二酸化炭素濃度が増加するにつれて、高緯度海域で海洋酸性化が顕著となり、2030年頃に南大洋で、 2100年には北太平洋でもアラゴナイト(注1)の殻をもつ生物にとって住みにくい環境になるのではないかと危惧されています。
..........
4.結果と考察
今回の解析結果から、1997年から2008年の間に北極海カナダ海盆域の表層は淡水化が進行していること、この淡水化の要因が海氷の融解であることが明らかになりました(図1)。

Z1

-----image(”図1 北極海カナダ海盆表層0~20mの塩分・海氷融解水の割合・炭酸カルシウム(アラゴナイト)の飽和度を示す値Ω・全アルカリ度[単位:μmol/kg]の分布図。上が1997年、下が2008年の観測結果を示す。灰色線は1000,2000,3000mの等深線。塩分は減少、海氷融解水の割合は増加、全アルカリ度は減少し、Ωの値からアラゴナイトの飽和度が過飽和から未飽和に変化したことがわかる”) : 同リリースより
......... "

関連
Aragonite Undersaturation in the Arctic Ocean: Effects of Ocean Acidification and Sea Ice Melt-----Science,20 November 2009

海中のCO2増加、プランクトン成長阻害 海洋機構が北極海調査-----NIKKEI NET,2009/11/20

コメント続き

 温暖化効果ガスである二酸化炭素の増加による海洋の酸性化、どれほどの影響があるのか? 以前から関心があります。日本は海洋国家です。周囲を完全に海で囲まれた国というのは、本当にユニークは特質です。そして、その海洋に食料などの海洋資源を負っています。さらに今後は、食料だけでなくエネルギー資源の確保においても重要な意味をおびてきます。
 しかし、その海洋で小さな生物に起こり始めている変化。今回の研究は北極海という遠い特殊な海の研究成果ですが、海はすべてつながっています。この小さな変化が、海洋全体、地球全体の変化のきざしを反映しているものでないとは言えません。こうした地道な研究に注目したいと思います。(t_t)

参考
地球環境研究センター ココが知りたい温暖化 海洋酸性化の影響
" Q :今の調子で二酸化炭素の排出が続くと、二酸化炭素が溶け込んで海水が酸性化し、海の環境に大きな影響を与えかねないというのは本当ですか。
.......... "

瀬底海洋酸性化プロジェクト


ninki blog ranking

人気blogランキング参加中。クリックお願いします! 上のバナーをクリックしていただくだけで当サイトの- 評価 -の向上になります。ご協力ありがとうございます。


しなやかな技術研究会のタイムライン4Ico_rss --- グリーン・ポストのおすすめ”本”(amazon.co.jpインスタントストア)-----しなやかな技術研究会のGoogleマップ-----はてなのブックマーク-----

-- [ バックナンバー、しなやかな技術研究会のタイムライン1しなやかな技術研究会のタイムライン2しなやかな技術研究会のタイムライン3]--




[PR GreenPostの商品案内のサイトへ PR]

|

« アフガニスタンのペダルパワー OLPC XOラップトップ | トップページ | パナソニック、デンマークの電力会社と共同でスマートグリッドを意識した家庭用エネルギーマネージメントシステムを実験を開始。COP15でも展示すると発表 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/27110/46865530

この記事へのトラックバック一覧です: 海洋研究開発機構、共同研究で北極海がある種の海洋生物にとって住みにくい海になっていることを初めて発見。二酸化炭素の海中への溶け込みによる環境変化をリポート:

« アフガニスタンのペダルパワー OLPC XOラップトップ | トップページ | パナソニック、デンマークの電力会社と共同でスマートグリッドを意識した家庭用エネルギーマネージメントシステムを実験を開始。COP15でも展示すると発表 »